インターネットと日記。グローバルとローカルの両極に存在するふたつ。

はじめて日記をインターネットで公開したのは、1996年頃だった。まだコンピューターがパーソナルといえる程普及しておらず、大学の図書館の共用マシンでISDNでインターネットに繋いでいた頃。接続するまで数十秒待たなければならず、異世界への没入するような感覚を憶えている。


その頃、「a」というホームページがあった。そこでは毎日が追憶のように綴られ、白い淡い背景に薄墨のような文字で日々が綴られていた。それがすごく新鮮で、ネットに接続して別の世界に飛び込んだ先に、何処かの誰かのとんでもないパーソナルは空間に繋がっているという不思議な感覚。そのうえでその空間は全世界の拡がり、また別の誰かのパーソナルに繋がっている。


当時は、ネットの検索は眼鏡の会社よりも「Yahoo!」。そこで、迷路を辿るようにインデックスに導かれて、いきついた先の個人的な部屋。


自分もそんな「部屋」を持ちたくなって、作ってみて、また作らなくなったりして、何年も何十年もたって今に至ってまた作ったりしている。